地球探検　ブータン王国　豊田泰洋隊員　１

　ブータンには多くの『祭り』があります。日本でも同様ですが、祭りの頃になると街中が『祭り』の雰囲気に覆われ活気づきます。ブータンでは『祭り』のための休日があり、その雰囲気が強いように感じます。特に私の任地は『祭り』の多い地域として有名で、シーズンになると海外から多くの観光客が『祭り』目当てに訪問してきます。今回はそんなブータンの『祭り』について書いていこうと思います。

　ブータンの『祭り』にはいくつかパターンがあり、『ゾン』と呼ばれる古城で行うものや『ラカン・ゴンパ』と呼ばれるお寺で行うもの、地域独自のものに分けることができます。どの『祭り』にも『マスクダンス』、『ブレッシング』や『トンドル』があったりと内容が似ていますが、衣装や踊りの内容が少しずつ異なっています。それではそれぞれの『祭り』について説明しましょう。

1　ジャカールゾン・ツェチュ

　『ジャカールゾン・ツェチュ』とは私の任地『ジャカール』で行われる『ツェチュ』＝『祭り』です。『ゾン』とは昔の城や要塞の事で、現在は県庁として利用されています。この『祭り』の特徴は、どこの県においても行われている『祭り』だと言う事です。この期間にあまり入ることのない『ゾン』の中を探索しながら、中央の広間で行われる『マスクダンス』を見ることができます。

2　タムシンゴンパ・ツェチュ

　『タムシンゴンパ・ツェチュ』とは『タムシンゴンパ』というお寺で行われる祭りです。『ラカン』や『ゴンパ』と呼ばれるお寺では『グル・リンポチェ』と呼ばれるお釈迦様（仏）の生まれ変わりの人物などを中心に、様々な神様を祀っています。『マスクダンス』の内容もそれら人物の行いを表現したものやマスクが神様の顔になっているものなど、『宗教』が濃く反映されています。

　この祭りはブータンの東にあるタシヤンツェ県で行われる祭りです。『チョルテン』とは仏塔(仏舎利)のことで、ブータンではいたるところで見る事ができます。ブータンではこの『チョルテン』の周りを回りながらお祈りをすることで、健康祈願や家内安全などを願います。タシヤンツェにはブータンでは珍しい『チョルテン』があり(ネパールのストゥーパのような形)、多くのブータン人がお祈りに来ます。