地球探検 ドミニカ共和国 吉田恵美子隊員 2
私の活動紹介
活動拠点は首都のサント・ドミンゴです。配属先は、国の教育機関である「ドミニカ共和国・国立職業訓練庁:INFOTEP(インフォテップ)、テレビ番組製作科」です。ここでの私のミッションは、テレビ番組製作科の顧問として講師指導と、音響カリキュラムの改善です。
インフォテップ
作業用パソコン オーディオ機材、 その他
毎日たくさんの生徒に囲まれながら、おぼつかないスペイン語で音響技術の講義をしたり、たくさんの印刷物を作って掲示する仕事をしています。職場以外では、近所の人たちとお茶を飲み、普段の会話をしながら、異文化を学んでいます。
今の状況にたどり着くまでにはたくさんの苦労がありました。例えば、スペイン語はこの国に派遣される2ヶ月前に学習し始めたため、こちらで普段の生活が出来るレベルでは無く、外出時にはいつも冷や汗をかく思いをしていました。なにせ、この国では英語はほぼ通用しないのです。
そんな生活が慣れてきた半年後、東日本大震災が起きてしまい、日本に緊急一時帰国。当時の厳しい状況の中、家族と共に時を過ごしました。大きな地震が頻繁に起こらなくなった45日後、ドミニカ共和国に戻りました。このとき、「ここに戻る」という選択はとても心に重いものでした。
しかし、一度はじめたことを投げ出すわけにはいかないので、今、自分に求められている事に対し、精一杯がんばろうと思いました。実際はこちらに戻ってからも何かある度に、「こんな状況下の日本にありながら、国際協力・ボランティアをしている場合なのか?」と、自問自答し続けたのも事実です。
しかし、現在では、いろいろ四苦八苦しながらも音響技術の教科書作成(英語版)、教室展示用学習ポスター作成、日本政府援助に寄るデジタル音響機材一式の購入、音響クラスの講師と、たくさんの事を現実に実行することが出来ました。受け持った生徒の数は500人を越えたと思います。少しでもドミニカ共和国のみなさんの役に立つことを願っています。
この約2年間、決して楽な生活では有りませんでしたが、たくさんの人に支えて頂き、無事に自分の活動を終える事が出来そうです。感謝の気持ちで一杯ではありますが、まだ1ヵ月半ここでの生活が残っています。総仕上げに向けてラストスパートです。一人でも多くの生徒たちの役に立てるように、そして記憶に残るように、まだ少し頑張りたいと思います。
最後になりましたが、福島の皆さまにおいては、今も厳しい状況は変わらないと事を存じ上げています。しかし、少しずつ明るい未来に近づいていることを信じています。豊かで美しい福島に想いを馳せつつ、南の島より、ご報告とさせて頂きます。
平成24年8月14日
夏休み、友人のおばあさんの家の前にて、 家族写真
サマナ地区、鯨見学
ラス・アイティセス国立自然公園 100年前の桟橋とペリカン
バニ地区、マンゴー畑
野菜とフルーツ
ドミニカ共和国平成22年度2次隊
職種:テレビ番組制作
吉田 恵美子国立職業訓練庁