地球探検 モンゴル国 佐藤知史隊員 1
モンゴル便り
拝啓、福島の皆様
6月下旬に、モンゴル入りして半年が経ちました。現地の生活にもすっかり慣れ、のどかな環境も相まって朝起きるとまるで福島のふる里で目が覚めるような錯角にも陥るぐらいになりました。まだまだ、言葉の方に力がありませんが職場にも打ち解け、ストレス無く活動が出来ています。
それでは、これまでの経過を報告いたします。
いよいよモンゴルへ
県の表敬後、6月21日にモンゴル入りしました。始めの1ヶ月は首都ウランバートルでの語学訓練と生活訓練が中心でした。
語学訓練は、語学学校に通いモンゴル人の先生から指導を受けました。そこでの学習は、二本松での学習内容と大差はありませんでしたが、まだまだ未熟な私たちにはよい復習になりました。全てモンゴル語で行われ、より現地の発音や言い回しを学ぶことが出来ました。本国での基礎学習と現地での学習とともに現在でも役に立っています。
生活訓練は、首都での日常生活やゲルキャンプに参加することを通して行われました。
首都での生活は、22年度1次隊11名が共同生活をとおして、現地の食糧品・日用品の購入や交通事情等に慣れていきました。また、博物館で歴史に触れたり、本屋に行って本を眺めたりすることも出来ました。
機上からのゴビ砂漠
ウランバートルの語学学校
田舎のゲルでホームステイ
ゲルキャンプは2泊3日で、田舎のゲルにゲルステイすることで行われました。遠くに山があるものの、360°草原の中にあるゲルで3日間を過ごせたことは大変貴重な体験となりました。
日中は、ステイ先の子供達とバスケットをしたりブフ(モンゴル相撲)をしたり、自然に触れたりと、モンゴル人との交流を深めることが出来ました。
乗馬体験 水汲みの様子
ぽけっとにはアロールを
また、遊牧民の仕事の一端も手伝わせてもらえました。水汲みは牛車を使って1キロ先の井戸に向かいます。これは、子どもの仕事で、ステイ先の高校生と中学生の2人とともに行いました。乳搾りでは、牛の誘導を子供達とともに行いました。これは朝夕行われ、絞り立ての牛乳を煮沸したスー(牛乳)は格別でした。また、アーロールという乳製品のお菓子作りやモンゴル料理の炊事手伝いもしました。アーロールは発酵して酸っぱくなったヨーグルトの水分を乾燥させ、固めたお菓子。モンゴル人は大好きでポケットに入れている子どもも珍しくありません。私は慣れましたが、日本人は苦手かもしれません。
アロール作り アロール
モンゴルの食事
モンゴルでの食事は朝を軽めに(モンゴルでは朝の茶と呼んでいます)、昼と夕がしっかりといったのが一般なようです。朝は、スーテイツァイ(しょっぱいミルクティーの様なもの)とパンでした。パンにはウルムというやはり乳製品のモンゴルバターを塗ります。お手製でパンによく合います。昼や夜はツォイワン(焼うどん)やホーラガ(炒め物)、シュル(汁物)が食卓を飾ります。羊の肉が苦手な人は苦労しますが、私はおいしく頂くことが出来ました。
モンゴル流最高のおもてなし
最後の夜を迎える夕刻、羊の解体を見ることが出来ました。羊を解体し客をもてなすのは、モンゴルでは最高のもてなしと言われています。それが食卓に上ったのは10時過ぎ。夕飯も終わりほとんど食べきれなかったのが悔やまれますが、エレグ(肝臓)とオーフ(お尻の脂身)を一緒に食べるのがとてもよかったです。
最終日、乗馬体験も出来ました。ゆっくりとした散歩程度でしたが、草原の中での乗馬は格別でした。いつかは、早馬を走らせてみたい衝動に駆られるのは言う間でもありません。
放牧の様子 羊の解体の様子
最後に
6月までいた日本では味わえない幾多の経験をこの3日ですることが出来ました。あくまでツアーリストの立場での体験なので、日常生活ではなかったかもしれませんが、モンゴルの文化に直接触れることが出来たのはよかったと思います。帰国後何かの形で伝えられればと考えています。
次号では、職場での活動の様子に触れていきたいと思います。
氏名 佐藤知史 、派遣国 モンゴル、隊次 平成22年度1次隊 、配属先 ダルハン第15番学校、職種 理数科教師