ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
ホーム > 組織でさがす > 国際課 > 地球探検 パプアニューギニア独立国 泉田裕章隊員 3

地球探検 パプアニューギニア独立国 泉田裕章隊員 3

印刷用ページを表示する 掲載日:2013年12月1日更新

 地球探検

レポート3

 私は今、青年海外協力隊の理数科教師としてパプアニューギニアのマヌス州、州都ローレンガウのマヌス・ セカンダリー・スクールに配属されています。

 今回は、「シンシン」についての話をしようと思います。 シンシン(Singsing)とは英語のSing Singからきたピジン語で、「歌や踊り」という意味を表しています。パプアニューギニアには22の州があり、 多くの部族が存在します。そしてその部族ごとに特徴あるシンシンがあります。

 シンシンは、それぞれの部族が長年伝承してきたのであり、現在では、毎年各地でシンシンショーが行われてい ます。特に高地のゴロカで行われるゴロカショー、同じく高地のマウントハーゲンのハーゲンショー、首都のポ ートモレスビーのビーチで行われるヒリ・モアレフェスティバルが有名で、オーストラリアや隣国から多くの観光客がやってきます。

 私の任地であるマヌス州のシンシンを紹介したいと思います。 テクニカルなガラムート(手作りの太鼓)のビートに合わせて軽快なステップを刻むマヌスシンシン。他の州のシンシンと比べて衣装は質素なものですが、ガラムートの掛け合いと共に刻まれるステップは見物です。

 マヌス島にはゴロカやマウントハーゲンで行われるような大きなシンシンショーはありませんが、カトリック教会での復活祭、独立記念日、国民の祝日、結婚式やスポーツ大会など、主に歓迎や祝福の際にマヌスシンシンが行われます。特別な日以外でも耳を澄ませば週末の夜や休日の午前中など、どこからともなくガラムートの響きが聞こえてきます。

 和太鼓と同じように楽譜はありません。その地域の曲、踊りのステップが伝承されており、年配の人から子どもまでガラムートを演奏し踊ることができます。

マヌスシンシン

 マヌスシンシンでは、女性は草の葉で作ったスカート(グラススカート)とビーズ・貝・犬の歯を使った質素なアクセサリーを身につけて踊ります。地域によっては男性も、色違いで同じような衣装を身につけて長い槍を持って踊ります。

ガラムート

 ガラムートと呼ばれる太鼓で、木の中をくり抜いて作ります。 メインパートやベースパート大きく4つのパートに分かれています。 左右にあるのはガラムートを運ぶための取っ手ですが、ガラムートのデザインがワニをモチーフとしており、昔から神聖なものと考えられているワニの魂が宿る、とも言われているそうです。

貝のアクセサリー

 マヌスでは主に貝やビーズで作ったアクセサリーが多く、草の葉で編んだバック(マヌスバスケット)も有名で す。シンシンでは頭や腕、腰やスネにアクセサリーをつけたり、肩からかけたりします。ビーズで国旗や州旗を 描いたもの、犬の歯を使った高価なアクセサリーもあります。

パプアニューギニア独立国 泉田裕章 平成23年度3次隊 職種:理数科教師 配属先:マヌス・セカンダリー・スクール