地球探検 パプアニューギニア独立国 泉田裕章隊員 4
レポート4
4. 郡山ザベリオ学園中学校での交流会
私は今、青年海外協力隊の理数科教師として、パプアニューギニアのマヌス州、州都ローレンガウのマヌス・セカンダリー・スクールに配属されています。 今回は、私が以前働いていた郡山ザベリオ学園中学校での交流会についての話をしようと思います。 私は2012年12月に一時帰国し、郡山ザベリオ学園中学校の終業式の全校集会にて任地のパプアニューギニアや、配属先のマヌス・セカンダリー・スクールでの生活の様子や活動経過などを紹介をしました。
熱帯雨林気候特有の蒸し暑さと突然のスコール、そしてその雨水を貯めた水を使って料理をしたり、洗濯や体を洗ったりすること、ココナッツを使った料理の数々、聞いた事しか無かったタロイモ・ヤムイモ・キャッサバ(タピオカ)を食べていること。そして、蚊を媒体とするマラリアやデング熱の対策、治安や物価についても紹介しました。そして、配属先での私の活動内容だけでなく、学校や教室などの建物、先生や生徒の一日の様子なども紹介しました。 赴任から約1年が経ち、生活も活動も慣れてきました。実際に現地で暮らしてみて私が普通だと思っていたことも、日本の子どもたちにとっては驚きが多かったかもしれませんが、日本と違う国や文化を知り、そして国際的視野を広げ、少しでも興味や関心を持ってくれたことでしょう。 私の活動の発表の後、ザベリオの子どもたちが集めてくれた募金5万円と鉛筆約100本のほか、学園バザーでの利益金8万円、中学3年生がマヌス・セカンダリー・スクールの子どもたちへ英語で書いた手紙を受け取りました。
2013年1月、私は任地に戻り、ザベリオ学園中学校のこと、この寄付金のこと、そして、福島や東北の復興状況などを現地の先生達と話しました。そこで、寄付金の使い道が決まりました。 |
1、手動ミシン(10台)と布、ソーイングセット 選択授業であるHome Economics(家庭科)の授業で使う手動ミシン。電動ミシンは高額で壊れた時に修理できないため、手動ミシンを選びました。また、布、メンテナンス用品、針やはさみも合せて購入しました。 今まではミシンが2台しかなく、実技の授業であっても子どもたちが実際にミシンを使って作品を作ることが難しかったので、今後はこの授業を選択した生徒全員が実際にミシンを使い、その使い方を学び、裁縫することができます。この授業で学んだ技術は、服を作ったり直したり、卒業後に村へ戻ってからも活用することができます。
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2、ギター(3本)と弦 Music(音楽)の授業で使うギターと、古いギターの新しい弦(各20本ずつ)。クラスにあるギターは15本中8本が弦がなく使われていない状態でした。マヌス島は湿気が多く、チューニングするネジや弦が錆びやすく、そして弦が切れやすくなっています。現地の物価を考えると、高価なものになります。そこで、ギターの適切な保管場所や保管の仕方を音楽の先生と話し合いながら一緒に古いギターの弦の張り替えをしました。ギターは音楽の授業だけでなく、各行事やミサ曲を歌う時にも使われます。
ミシンの台とケース、ソーイングセット、ギターの裏には「Donated by Xaverio J.H.S in Fukushima Japan(福島県のザベリオ中からの寄付)」とペイントを施しました。 |
マヌス・セカンダリースクール、キノル校長先生から 「郡山ザベリオ学園からの寄付、本当にありがとうございます。家庭科にミシン、音楽科にギターを購入できたこと、とても感謝しています。ミシンやギターは、生徒の学習にとってとても大事な道具です。ボランティアの泉田先生を通してこのような寄付が実現したこと、再度、感謝の言葉を申し上げます。 本当にありがとうございました。」 という手紙をもらいました。 郡山ザベリオ学園のみなさん、本当にありがとうございました。 |
パプアニューギニア独立国 泉田裕章 平成23年度3次隊 職種:理数科教師 配属先:マヌス・セカンダリー・スクール