地球探検 パプアニューギニア独立国 泉田裕章隊員 8
レポート8
8. マヌス島の市場事情
私は今、青年海外協力隊の理数科教師として、パプアニューギニアのマヌス州、州都ローレンガウのマヌス・セカンダリー・スクールに配属されています。 今回は、「マヌス島の市場事情」についての話をしようと思います。 州都ローレンガウの主要なマーケット(市場)は2つあります。月~金曜日は朝は8時から午後4時頃まで、土日は朝7時から12時頃までマーケットが開いています。マーケットの中は長テーブルと長椅子があり、1日100円程度で1メートル四方の1つの区画を借りて誰でも出品することができます。 主な商品は、食べ物(穀物、野菜、フルーツ、魚、お菓子や惣菜)、アクセサリー、タバコ。そして、パプアニューギニアの噛み嗜好品、「ビートルナッツ(またはブアイ)」と呼ばれるものも売られています(びんろう樹の果実)。 海に囲まれたマヌス島の特徴的な出品物は、やはり魚貝類です。夜から朝方にかけて船で沖へ行って釣りをして、その日のうちにマーケットに出します。小エビやカニ、二枚貝などはよく売っていますが、時々ロブスターや200kgを超える大きなカメが売られていることがあります。
マヌス島では、日本の刺身のように魚を生で食べる文化がなく、主にスモークして食べます。マーケットではよくスモークされた魚や貝、タコが売られています。
左下の写真の魚はマグロの種類です。現地ではマグロの種類をイエローフィンなどと呼んでいます。この時はとても新鮮な魚が手に入ったので刺身にして食べました。右下の写真の魚はうろこが大きく、皮がとても厚かったので、煮物とホイル焼きにしていただきました。
熱帯地方のフルーツといえばやはりココナッツ、パイナップル、バナナを想像します。マヌス島では特にバナナは種類が多く、5種類くらい味が違うバナナが売られています。日本で売られているようなバナナの他、中味がオレンジ色のものや、味が砂糖で漬けたようなとっても甘いもの、そして生では食べられないクッキングバナナが売られています。
熱帯地方の主食といえば、タロイモ、ヤムイモ、スイートポテトなどの穀物のほか、キャッサバ(タピオカの原料)が有名です。それに、数多くの野菜があります。チンゲンサイや白菜の他、モロヘイヤのような粘り気のあるような野菜や水菜のようなもの、キュウリ、ナス、ピーマンやショウガも売られています。
ここは、木の皮で編んだバック(マヌスバスケット)が売られているブースです。男性が首からさげて使う筒状のバスケットは「マンギーバスケット」、女性が肩からかけて使う四角いバスケットは「メリーバスケット」と呼ばれています。これらの他に、貝やビーズを使ったアクセサリーや、マヌス島の高地にしか生息しないグリーンスネイルという緑色のカタツムリの殻を使ったアクセサリーが有名です。
ここは嗜好品ブースで、ビートルナッツ(またはブアイ)と呼ばれるびんろう樹の果実と、ブルースと呼ばれるタバコの葉っぱが売られています。ブアイは、ダカ(マスタードの果実)と、カンバン(石灰)を一緒に噛む嗜好品です。ブルースは小さく切った新聞で巻いて吸います。
ここではドーナッツや、惣菜パン、ジュースを凍らせたアイスブロックが売っています。小腹が空いたとき、そして暑くて大変というときによく買います。惣菜パンは中に肉や魚の缶詰、野菜、ヌードルを混ぜたものがポピュラーです。
大きなマーケットだけでなく、人通りが多い道端や人が集まるところには小さなマーケットが開かれます。学校帰りの子どもたちや、仕事帰りの人たちがビスケットやフルーツ、ビートルナッツなどを買います。 町の中心にしかないスーパーや大きなマーケットが閉まっても、このような小さなマーケットは場所によっては夜中までやっているので、日本で言うコンビニ感覚で利用する人が多くいるようです。
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パプアニューギニア独立国 泉田裕章 平成23年度3次隊 職種:理数科教師 配属先:マヌス・セカンダリー・スクール