地球探検 パプアニューギニア独立国 鹿野陽太隊員 2
パプアニューギニア、キウンガの生活
パプアニューギニアのキウンガでの生活も2年が終わりました。この2年間、パプアニューギニアからでることなく過ごしました。生き物を相手に、現地の人に養殖を教えるのは本当に時間がかかります。もう少し時間をかけて養殖を教えたいというのもあって、滞在を1年延長させていただきました。今は、日本に一時帰国しています。またパプアニューギニアに戻って、残り1年過ごそうと思っています。 2年もパプアニューギニアにいると、パプアの生活に染まっているもので、空港の中を足早に歩く日本人についていけない自分がいます。飛行機の窓から見た東京は明るすぎると感じるし、街はまぶしいほど明るい、夜遅くまで大勢の人が歩いている。夕方5時には店が閉まり、街灯もほとんどないキウンガにいた自分にとっては、この光景は本当にびっくりするものです。きょろきょろといろいろなものを見ながら、2年ぶりの日本を歩いています。こうして日本に帰り、日本の人々の生活を見ることは、パプアニューギニアでの生活を振り返るきっかけになり、パプアニューギニアの良さを改めて実感させてくれます。この機会に、魚を中心にパプアでの生活の一部を紹介したいと思います。 パプアニューギニア、キウンガは大河フライ川のほとりにあります。町のまわりには密林が広がり、野生動物が数多く生息しています。そして、町の見物はなんといっても市場です。その日に獲れた魚、イノシシ、シカ、ワニ、カメが売られています。どれも食べるためです。魚は、テラピアとナマズを中心に並んでいます。ウナギもいて、ここのウナギは肉厚でおいしいです。
イノシシは、パプア人に解体された状態で売っていて、これも焼肉にするとおいしいです。パプアの人たちの漁や狩りには獲りすぎるということがありません。その日の獲れた分だけ売って、売切れたら終わりです。3時間もすると魚も獣肉も売り切れてしまいます。売り切ったら、あとは町をぶらぶらしてゆっくりするようです。
雨季に採った稚魚(テラピア)は、キウンガの養殖施設で約3か月、オスとメスが見分けられる20グラムほどまで育成しました。育成した魚は、オスとメスに分けて、成長が早く、大きくなるオスだけを近くの農場に配りました。テラピアは、アフリカ原産の世界中で養殖されている魚です。パプアニューギニアでも養殖され、フライ川には野生化して増えています。ここの人たちも好きな魚です。3枚におろした身はタイにそっくりで、味も食感もタイに似ています。タイは高級魚で、養殖にお金がかかりますが、テラピアはお金もかからず簡単に養殖できます。農場の人たちは、ニワトリに与える餌の一部をあげたりして、水の色を緑に保ちながら、約8か月世話をしました。8か月経って、農場の人たちと蚊帳を使って魚の収穫をしました。皆、楽しそうに収穫していて、収穫した魚はどれも食べごたえのある大きさに成長していました。収穫した魚を満足そうに手にしていたのを見られたのは本当にうれしかったです。
去年再び、その池に新しい魚を放流しました。放流した魚も、去年同様大事に世話されているようです。今年のどこかでまた大きくなったテラピアを収穫し、満足そうに魚を手にするキウンガの人たちの姿を見られたら良いなと思っています。 |
パプアニューギニア独立国 鹿野陽太 平成24年度3次隊 職種:養殖 配属先:ウェスタン州農畜水産局