ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
ホーム > 組織でさがす > 国際課 > 地球探検 ウガンダ共和国 田中俊隊員 7

地球探検 ウガンダ共和国 田中俊隊員 7

印刷用ページを表示する 掲載日:2013年12月1日更新

地球探検

 ウガン便り

Vol.7 水汲みという負担

  井戸は浅井戸と深井戸に分けることができ、前者は掘削深度が30m以下のもの、後者はそれ以上のものを指します。深井戸は岡の上のタウンにも建設することも出来ますが、その分掘削費用や井戸のパーツ代がかかるので、一般的には浅井戸が多く掘られます。ただ、地下水にすぐ到達する場所=森の谷間などに多く掘られる傾向にあります(写真1参照)。

   家庭で使うための水汲みは他のアフリカ諸国同様、ウガンダでも主に子どもと女性の仕事です(写真2参照)。水は一般的にジェリカンと呼ばれるプラスチック容器(写真3参照)を頭に担ぐなどして運びます。重たい水を運搬することで女性には脊椎の病気や流産の危険も生まれ、子どもは朝夕繰り返される水汲みに時間を取られ、就学率に影響が出る問題が起きています。

森の谷間にある浅井戸で汲んだ水を持ち帰る子ども達←写真1 森の谷間にある浅井戸で汲んだ水を持ち帰る子ども達

朝早くから水汲みに来た子ども達←写真2 朝早くから水汲みに来た子ども達

ジェリカン←写真3 ジェリカン 写真は20リットル用

  ある井戸に7時~19時まで張り付き井戸利用者数や汲水量を調べてみたことがあります。1日の井戸利用者数のべ184人のうち、男女比は65人:119人でした。この119人の女性が計1,437リットルの水を運んでいて、女性1人あたり約12リットル(約12kg!)を運ぶ計算です。さらに184人のうち、2歳~15歳の子どもの人数は135人に上りました。彼らは611リットルを運び、1人あたり約4.5リットルの負担になっていました。 汲まれた水は、飲料水としてはもちろん、洗濯や食器洗い、ベイジング(水浴び)など生活に広く利用されます(写真4、5参照)。

若い女性が洗濯している様子←写真4 若い女性が洗濯している様子

母親がベイジング(水浴び)させている様子←写真5 母親がベイジング(水浴び)させている様子 

  井戸が故障したために、別の井戸のある隣り村まで水を汲みに行かなければならないという話もよく聞きます。女性や子ども達の負担を少しでも軽減するという面でも、井戸修理は重要になってくるのです。

(2012年9月)

田中 俊 平成22年度1次隊 村落開発普及員 ムピジ県水衛生事務所