消防防災ヘリコプターについて
1 概要
近年の社会環境の変化や都市化の進展に伴い、災害の態様も複雑多様化してきており、また一方では、地震・津波、風水害等の大規模災害に対する高度な防災体制が求められてきていることから、県内全域を活動エリアとし、上空からの消火、救急・救助等の消防防災活動を行うため、平成10年4月から消防防災ヘリコプター「ふくしま」の運航を開始しています。
2 活動内容
(1)救急活動
ア 山間、豪雪地域等陸上交通の不便な地域からの緊急患者の搬送
イ 傷病者発生地への医師の搬送及び医療機材等の搬送
ウ 高度医療機関への傷病者の転院搬送
エ 災害または事故等により陸上交通に支障が生じた場合における傷病者等の救助
(2)救助活動
ア 水難事故、山岳遭難事故等における捜索・救助
イ 中高層建築物火災における救助
ウ 災害または事故等により陸上交通に支障が生じた場合における被災者等の搬送
エ その他行方不明者等の捜索・救助
(3)災害応急対策活動
ア 地震・津波、台風、豪雨及び豪雪等の災害の状況把握並びに応急対策指揮
イ 孤立した被災地等への緊急物資、医薬品等の輸送及び応援要員、医師等の搬送
ウ 石油コンビナート、高速道路等での大規模災害事故等の状況把握及び応急対策指揮
エ 各種災害等における住民への避難誘導及び警報等の伝達
(4)火災防御活動
ア 林野火災等における空中からの消火活動
イ 大規模火災における情報収集、伝達及び住民への避難誘導等の広報と作戦指揮
ウ 交通遠隔地等への消火資機材及び消火要員等の輸送
(5)広域航空消防防災応援活動
近隣県都市等との相互応援活動
(6)災害予防対策活動
ア 災害危険箇所等の調査
イ 住民への災害予防の広報
(7)各種防災訓練等への参加
ア 県主催の防災訓練
イ 市町村または消防本部主催の防災訓練
ウ 広域航空消防応援に係る訓練
エ その他運航責任者が必要と認める訓練
3 緊急運航の要請
緊急運航は、下記に該当する場合に、市町村または各消防本部からの要請で行います。
◆災害が発生した場所で
・災害が隣接する市町村等に拡大し、または影響を与えるおそれのある場合
・発災市町村等の消防力による防御が著しく困難と認められる場合
◆その他救急搬送等、緊急性があり、かつ、消防防災ヘリコプターによる活動が最も有効な場合
4 スペック、装備等
平成10年より、22年間にわたり活躍してきた消防防災ヘリコプター「Bell412EP」の後継機として、新たに「AW139」を導入し、令和元年12月から運航を開始をいたしました。
新機体は航続距離がおよそ800キロと現行機に比べ100キロ以上向上するとともに、オートホバリング機能(自動で空中に停止する機能)など、新たな機能を装備しております。
型 式 | AW139(イタリア製) |
機体番号 | JA07AR |
座席数 | 最大14席 |
全 長 | 16.6m |
最大離陸重量 | 7,000kg |
最大巡航速度 | 306km/h |
最大航続距離 | 798km |
エンジン出力(2基) | 3,358馬力 |
主要装備 | ・救助用ホイスト(ケーブル長 90m) |
・空中消火タンク(最大容量 約1,800L) | |
・大型機外拡声器(出力 1,200W) | |
・高輝度サーチライトなど | |
航行装置・装備 | ・自動操縦装置(オートホバリング(機体姿勢保持)機能) |
・飛行管理装置 | |
・ホイストカメラなど |