キセノン検出に関する情報提供の遅れに対する厳重抗議
印刷用ページを表示する 掲載日:2012年11月15日更新
平成23年11月1日に発生した福島第一原子力発電所2号機からのキセノン検出について、事故の収束に向けたステップ2の達成時期を年内に前倒ししたその矢先、突如として「一時的な臨界の可能性」が明らかとなったことは、県民に著しい不安を与え、8か月前の恐怖を思い起こさせました。そのため、平成23年11月4日、福島県は東京電力(株)に対して、今回の対応について厳重抗議しました。
(1)厳重抗議
- 日時 平成23年11月4日(金曜日) 18時30分から
- 場所 自治会館3階
- 概要 東京電力(株)新妻理事福島原子力被災者支援対策本部副本部長に対して、県生活環境部次長より下記のとおり厳重抗議を行いました。
- 抗議内容
(1)情報提供の時期
本日提出された報告書において明らかになったところによると、放射性キセノンの検出の事実を、1日の午後には把握しておりながら、本県への情報提供が翌2日の未明となっている。緊急事態への進行も想定される極めて重要な情報の提供が大幅に遅れたことは、事故収束、ふるさとへの帰還を願う全県民の思いをないがしろにするものと、言わざるを得ない。
(2)県民への分かりやすい説明
これまで、事故の収束に向けた各段階において、様々な可能性があるにもかかわらず、詳細に説明をしてこなかったことに加え、今回の一連の対応において、事実の説明に終始するなど、県民への誠意が感じられない。
福島県民が今置かれている状況を十分に踏まえ、こうした「速やかな情報の開示」、「県民への分かりやすい情報提供」など、県民の不安を少しでも解消するため、しっかり対応するよう、改めて強く申し入れる。
(2)知事から政府への申し入れ
- 日時 平成23年11月7日(月曜日)
- 場所 県災害対策本部員会議
- 概要 今回の事象について、知事から政府に対して、以下のように求めました。
- 内容
「福島県民がどのような状況でこの8か月を過ごしているのか、東京電力や政府の皆さんが本当に理解されているのか疑問に思うことが時々ある。この件に関しても、1日の午後には把握しながら、本県への情報が2日の未明となっている。私は何度も何度も情報開示を迅速にと言ってきたが、これは監督官庁としてしっかり、改めて電力側に申し上げる必要がある。また、県民に対してわかりやすく丁寧に説明願いたい。」
(3)原子力安全・保安院の対応
その後、原子力安全・保安院は、東京電力(株)の報告書の評価結果を公表しました。評価結果では、今回検出されたキセノンは、自発核分裂で生成されたものであり、臨界による核分裂で生成されたものではないと判断されることから、東京電力の報告の内容は概ね妥当であるとしています。