福島第一原子力発電所における停電の影響について
ここでは、平成25年3月18日午後18時57分に発生しました、東京電力(株)福島第一原子力発電所における停電トラブルについて掲載しています。
概要
平成25年3月18日、東京電力(株)福島第一原子力発電所から、免震重要棟において電源が瞬時に停電する事象が発生して、現場の状況を確認したところ、プロセス建屋常用M/C及び所内共通M/C4A、仮設3/4M/Cが停止していることが確認されたとの通報連絡がありました。 その後、設備状況について確認したところ、下記の設備が停止しているとの連絡がありました。
- 1,3,4号機使用済燃料プール代替冷却系
- 共用プール冷却浄化系
- セシウム吸着装置(KURION)(電源停止前運転中)
- 窒素供給装置(PSA-3)
→ 福島第一原子力発電所における停電に関する通報連絡一覧(平成25年3月22日8時00現在)
東京電力からの報告聴取・申し入れ
- 日時 平成25年3月19日(月曜日)午前11時30分~
- 場所 県庁西庁舎8階 801会議室
- 申入者 福島県生活環境部次長(県民安全担当) 古市正二、生活環境部原子力安全対策課 小林正人
- 申受者 東京電力株式会社福島広報部 部長 山本晋児、福島広報部 原子力技術GM 新井泰雄
- 概要 県では、随時通報連絡を受けておりましたが、3月19日9時現在において、原因は特定されず、停電は復旧できていないことから、同日、東京電力より、報告を聴取しました。その際に、東京電力に対して、下記のとおり申し入れを行いました。
・(東電資料)福島第一原子力発電所における電源設備の不具合事象について[PDF形式、1,297KB]
申し入れ内容 昨日発生した福島第一原子力発電所の停電については、使用済燃料の冷却系という重要設備の運転停止に至り、約半日以上経過した現在も、原因が特定されず、冷却系の運転も再開できていない状況となっている。 特に、4号機の使用済燃料プールについては、1,533体の燃料体が保管されており、2年前と比べて発熱量が少なくなっているとはいえ、その冷却が停止し、再開の見通しが示されないことは、県民に大きな不安を与える事態を招いている。また、帰還に向けた動きにも、大きな障害となると思われる。 東京電力においては、廃炉に向けた中長期ロードマップに基づく取組をしっかりと進めるとともに、仮設設備の信頼性向上対策を徹底させ、帰還が進む周辺地域の安全確保に向け、特に次の3点について取り組むよう強く求める。
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その後の主な経過
(1) 3月19日15時00分及び15時55分、17時32分に、東京電力より、健全性が確認された電源設備(プロセス建屋常用M/C及び所内共通M/C4A)が以下のとおり復旧したため、4号機使用済燃料プール代替冷却系一次系を13時20分に起動、1号機使用済燃料プール代替冷却系一次系及び二次系を14時20分に起動したとの通報連絡がありました。 また、他の号機の使用済燃料プールの今後の見通し及び冷却再開予定時刻の評価値について、下記のとおり連絡がありました。
- 3号機使用済燃料プール 3月19日20時までに運転開始予定(19日20時で約18℃)
- 4号機使用済燃料プール 3月19日20時までに運転開始予定(19日20時で約33℃)
- 共用プール 3月20日8時までに運転開始予定(20日8時で約34℃)
(2) 3月19日17時52分に、東京電力より、4号機使用済燃料プール代替冷却系二次系を16時13分に起動したとの通報連絡がありました。
(3) 3月19日23時13分に、東京電力より、3号機使用済燃料プール代替冷却系一次系及び二次系を22時43分に起動したとの通報連絡がありました。
(4) 3月20日1時15分に、東京電力より、共用プール冷却浄化系を0時12分に起動したとの通報連絡がありました。
(5) 3月20日13時22分に、東京電力より、今回の事象についての原因調査を行っていたところ、12時36分頃に、仮設3/4号M/Cの盤内において、端子及び壁面が煤けていることを東電社員が発見したとの通報連絡がありました。
福島第一原子力発電所の停電に関する東京電力からの報告
原因調査結果及び再発防止対策について、3月19日に県は東京電力に3項目の申し入れを行いましたが、このことに対して東京電力から報告を受けました。
- 日時 平成25年3月28日(木曜日)14時15分~
- 場所 自治会館2階特別会議室
- 出席者 福島県生活環境部長 長谷川哲也、生活環境部次長(県民安全担当) 古市正二、生活環境部参事兼原子力安全対策課長 小山吉弘
- 報告者 東京電力株式会社 福島復興本社代表兼福島本部長兼原子力・立地本部副本部長(執行役副社長) 石崎芳行、福島第一原子力発電所電気・通信基盤部長 白川智章、福島第一安定化センター広報部長 野呂秀明、本店福島本部福島広報部 部長 山本晋児
→(東電資料)福島県の申し入れに対する回答[PDF形式、11,427KB]
報告を受けての申し入れ
- 申入者 福島県生活環境部長
- 申受者 東京電力株式会社 福島復興本社代表兼福島本部長兼原子力・立地本部副本部長(執行役副社長) 石崎芳行
- 申入内容
(1) 電源多重化、本設化等の信頼性向上対策を行うこと。
(2) 遠隔監視体制の強化を行うこと。
(3) 復旧見込み等を含め、県民の立場に立った迅速かつ丁寧な情報提供を行うこと。
福島第一原子力発電所の停電に関する関係部長会議の開催
東京電力からの報告(申し入れに対する回答)を受け、関係部長会議を開催しました。
- 日時 平成25年3月28日(木曜日)16時10分~16時25分
- 場所 本庁舎2階特別室
- 出席者 佐藤知事、内堀副知事、村田副知事、斎須直轄理事、鈴木総務部長、野崎企画調整部長、八木避難地域復興局長、長谷川生活環境部長
- 議題 停電トラブルに対する東京電力株式会社からの報告書について
→福島第一原子力発電所のトラブルに関する対応について(案)[PDF形式、60KB]
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