所内電源A系停止と負傷者発生に対する申し入れ
印刷用ページを表示する 掲載日:2024年5月10日更新
令和6年4月24日、福島第一原子力発電所において、原子炉注水設備などの重要設備に電源を供給している所内電源A系が停止し、それに伴い、実施計画に定める運転上の制限を逸脱するトラブルが発生しました。本トラブルは、構内配電線の埋設管路の補修に伴う屋外舗装箇所の掘削工事において、所内電源A系ケーブルを損傷させたことが原因とされており、掘削工事に従事していた作業員が負傷する事態となりました。
東京電力では、昨年10月の増設ALPS配管洗浄作業における身体汚染以降、再発防止策やその水平展開が進められていますが、今回のトラブルが発生した現状を踏まえれば、これまでの対応に疑問を呈せざるを得ません。このため、現在実施している全ての廃炉作業に関する総点検においては、作業手順書や作業管理等の見直しなど、確実な再発防止策に繋げることが必要です。
東京電力においては、深刻なトラブルを繰り返し発生させ、県民に多大な不安を与えている事態の重大性を十分に認識し、主体性を持って、より一層の安全管理の徹底を図るよう、県では下記のとおり申し入れを行いました。
概要
- 日時 令和6年5月10日(金曜日)14時30分
- 場所 県庁北庁舎 2階 プレスルーム
- 申入者
- 危機管理部 政策監 伊藤 繁
- 危機管理部 原子力安全対策課長 三浦 俊二
- 相手方
- 執行役員 福島第一廃炉推進カンパニー・バイスプレジデント兼福島第一原子力発電所長 田南 達也
申し入れ内容
- 今回発生したトラブルの原因について、作業面、管理面及び設備面など様々な視点から調査・分析を行い、社員の意識改善や作業手順書の見直し等のみならず、設備面の対策など、未然防止の観点に立った再発防止を徹底すること。
- 現在実施している全ての廃炉作業に関する総点検については、様々な視点からあらゆるリスクを洗い出し、改めて従来の再発防止策やその水平展開の方法を見直し、同様のトラブルを二度と繰り返さぬよう、安全管理体制を構築すること。
- 労働災害の防止に向けて、作業員の安全が確保できる体制の構築等、労働安全対策を徹底すること。
- 今回のトラブルに係る今後の対策について、県民の目線に立ち、正確で分かりやすい情報発信に責任をもって取り組むこと。