福島県内で自然共生サイトが初認定となりました
福島県内で自然共生サイトが初認定となりました
国際公約である30by30目標の達成に向けて、環境省が募集している「自然共生サイト」について、県内の2カ所(民間所有地)が本県内では初めて認定されましたのでお知らせします。
1 今回認定されたサイト
(1)サイト名:鹿島建設日影山山林・ボナリ山林(猪苗代町)
<申請者:鹿島建設株式会社>
面積約112haの山林であり、大半が県指定沼尻鳥獣保護区、一部が磐梯朝日国立公園に含まれます。ツキノワグマやカモシカ等の大型哺乳類やラン科等の植物の生息・生育地となっています。
○事業者による保全活動
水源及び生物多様性の保全と両立した施業・管理が行われており、温室効果ガスの吸収源(J-VER認証※1を取得)としても重要な森林です。また、山林の状況をドローンを用いて空撮し、GIS※2(地理情報システム)で小班ごとにデータ化し管理しています。
※1 J-VER認証:国内排出削減・吸収プロジェクトにより実現された温室効果ガス排出削減・吸収量をオフセット・クレジット(J‐VER)として認証する制度
※2 GIS(地理情報システム): 位置に関する様々な情報を持ったデータを加工/管理し、地図の作成や高度な分析などを行うシステム技術の総称
(2)サイト名:レンゴー株式会社 福島矢吹工場ビオトープ(矢吹町)
<申請者:レンゴー株式会社>
レンゴー福島矢吹工場の敷地内に造成したビオトープ。周辺は農地や雑木林に囲まれ、これまでに動植物が約345種確認されています(2011~2023年調査)。
○事業者による保全活動
造成当初より10年以上にわたり生態モニタリング調査を実施し、動植物の種数等の推移を調査しています。また、里山環境の象徴であり、自然環境のバロメーターといわれるホタルの定着を目指し、飛翔数の確認や定着の手助けを行っています。ほかにもビオトープでの環境イベントの開催を行い、環境意識の醸成にも取り組んでいます。
2 30by30目標について
30by30とは、COP15(カナダモントリオール)において、世界目標として正式採択されたもので、2030年までに世界の陸域・水域のそれぞれ30%以上を生態系や生物多様性の保全・保護地域とする目標です。
※対象となる保全・保護地域は、国立公園など、法律等により生物多様性が保全されている地域と、それ以外であっても企業の保有林など、民間の取組により生物多様性保全に資する地域(OECM)が認められます。
3 自然共生サイトについて
環境省が日本版OECMとして、国内で生物多様性に貢献する場所を「自然共生サイト」として認定する仕組みを創設しました。自然共生サイトは令和5年4月より環境省が募集し、前期は122ヶ所、後期は62ヶ所が認定されています。