動物由来感染症について
印刷用ページを表示する 掲載日:2014年2月1日更新
●動物由来感染症って知っていますか?
動物由来感染症とは、動物から感染する病気のことを言います。
ペットは家族の一員として、かけがえのない存在ですが、ペットの愛らしさばかりに気を取れらてはいませんか?
外見上は、健康そのものでも、ある種の病気にかかっていて、私たちの健康をおびやかす可能性もあるので、口移しで餌を与えるなどペットとの過度な接触を控えましょう。
ペットとの楽しい生活のために、また、これからペットを飼おうと考えている方に、知っておいてほしい主な動物由来の感染症を紹介いたしますので、ペットとのよりよい関係のために、是非、正しい知識を身につけてください。
【関連】厚生労働省ホームページ
●犬や猫から感染する病気
病名 | 病原体 | 伝搬様式 | 主な症状 | 国内の発生 |
狂犬病 | ウイルス | 感染した動物に咬まれる。 | 知覚麻痺、錯乱、昏睡、発症の場合100%死亡する。 | 昭和32年以降無し |
パスツレラ症 | 細菌 | 咬まれる、引っかかれる。濃厚に接触する。 | 受傷部の腫脹、疼痛、化膿。呼吸器系の症状。 | 有 |
ねこ引っ掻き病 | 細菌他 | 咬まれる。引っかかれる。 | 全身倦怠、発熱、頭痛、関節痛、受傷部の丘疹、膿疱、リンパ節腫脹。 | 有 |
ブルセラ症 | 細菌 | 感染した動物の排泄物、血液、死流産胎児に接触する。 | 悪寒、発熱、頭痛、関節痛、波状熱。 | 有 |
レプトスピラ症 | 細菌 | 感染した動物の尿や汚染された水に直接・間接的に接触する。 | 全身倦怠、悪寒、発熱、頭痛、筋肉痛、重傷例では黄疸、出血傾向。 | 有 |
サルモネラ症 | 細菌 | 糞便に汚染された食品・水を加熱不十分で飲食する。動物に直接・間接的に接触する。 | 嘔吐、下痢、腹痛などの食中毒症状。 | 有 |
カンピロバクター症 | 細菌 | サルモネラ症と同様。 | サルモネラ症と同様。 | 有 |
白癬 | 真菌 | 感染した動物の皮膚や病変に直接・間接的に接触する。 | 頭部白癬:脱毛、体部股部白癬:かゆみ、小結節。 | 有 |
トキソプラズマ症 | 寄生虫 | 食肉中、ねこの糞便中の原虫を経口的に摂取する。 | 多くの場合は不顕性感染(無症状)、抗体を持たない妊婦が初感染した場合、胎児に影響をもたらす。 | 有 |
幼虫移行症 | 寄生虫 | 回虫卵に汚染された土壌、食品を経口的に摂取する。回虫が寄生している動物に接触する。 | 特に小児に多い。発熱、ぜんそく、肺炎などの症状。まれに眼球内移行、神経障害など。 | 有 |
フィラリア症 | 寄生虫 | イヌ糸状虫(フィラリア)の仔虫を保有している蚊に刺される。 | 多くの場合無症状。咳、胸痛、発熱、呼吸困難など。皮下・眼などに腫瘤形成。 | 有 |
エキノコックス症 | 寄生虫 | 虫卵に汚染された飲食物を摂取する。成虫の寄生している動物に直接・間接的に接触する。 | 上腹部圧迫感、黄疸、肝機能低下、腹水、肝不全、胸膜炎など。 | 有 |
●トリから感染(トリが媒介)する病気
病名 | 病原体 | 伝搬様式 | 主な症状 | 国内の発生 |
鳥インフルエンザ | ウイルス |
感染した家きんやその排泄物、死体、臓器などに濃厚に接触することによってまれに感染 ※日本では発症したヒトは確認されていません。 |
高熱や急性呼吸器症状など |
無(ヒト) |
オウム病 | クラミジア | 感染したトリの排泄物を吸入したり、経口的に摂取する。 | 全身倦怠、悪寒、発熱、頭痛、筋肉痛、乾性の咳、粘液痰を伴う呼吸器症状など。 | 有 |
クリプトコックス症 | 真菌 | ノバトや鳥類販売店のトリの塵埃を吸入する。 | 発症はまれ。病原体は肺から血行性に皮膚、中枢、各臓器に播種されてさまざまな症状を示す。 | 有 |
ウエストナイル熱 | ウイルス | 感染蚊による咬刺、媒介動物は鳥類で、1999年ニューヨーク市での流行の際には多数のカラスが死亡し、70種以上の死亡した鳥類から西ナイルウイルスが分離された。 ※ 公園等において、カラスが複数羽死亡しているのを見かけた際には、最寄りの保健福祉事務所に情報の提供をお願いします。 |
多くは不顕性感染または軽度の発熱、頭痛、時に発疹、リンパ節腫脹。 | 無 |
●サルから感染する病気
病名 | 病原体 | 伝播様式 | 主な症状 | 国内の発生 |
赤痢 | 原虫 | 感染した動物の糞便に直接・間接的に接触する。 | 下痢、粘血便、腹痛など。 | 有 |
Bウイルス病 | ウイルス | 唾液に接触する。(咬傷感染、創傷粘膜感染) | 発熱、受傷部の水疱やしびれ感、麻痺、脳炎。(致死率100%) | 無 |
●げっ歯類(ネズミ、ハムスター、ウサギ、プレーリードッグなど)や爬虫類から感染する病気
病名 | 病原体 | 伝搬様式 | 主な症状 | 国内の発生 |
腎症候性出血熱 | ウイルス | 感染した動物の排泄物に直接・間接的に接触したり、吸入する。 | 発熱、出血傾向 | 有 |
野兎病 | 細菌 | 感染した動物の血液、組織に接触する。ダニなどの節足動物が媒介することもある。 | 悪寒、発熱、リンパ節腫瘍、無痛性の潰瘍など。 | 有 |
ペスト | 細菌 | 感染したネズミを吸血したノミに刺される(肺ペストは吸入による感染もある。) ※ ペストに罹患、または、その疑いのあるプレーリードッグを診断した獣医師、並びに、現在、飼育しているプレーリードッグがペストに罹患、または、その疑いのある場合には最寄りの保健所長へ届け出てください。なお、平成15年3月1日から、国内へのプレーリードッグの輸入は禁止となっております。 |
敗血症、小出血班、発熱、中毒症状、ショックなど。 | 無 |
レプトスピラ症 | 細菌 | 感染したネズミの尿に直接・間接的に接触する。 | 全身倦怠、悪寒、発熱、頭痛、筋肉痛。重症例で黄疸、出血傾向。 | 有 |
サルモネラ症 | 細菌 | 糞便に直接・間接的に接触する(爬虫類の糞便で汚染された水槽の水など)。特に、ミドリガメの7割以上は菌を保有しているとされる。 | 嘔吐、下痢、腹痛などの食中毒症状。 | 有 |