【2015年10月20日(火曜日)】 Vol137
目次
- リレーエッセイ
県教育委員会委員長 高橋 金一(たかはし きんいち) - 日々の思い
県教育庁教育次長 菅野 誠(かんの まこと) - お薦めの一冊コーナー
- 学校自慢コーナー
- 会津若松市立大戸小学校
- 伊達市立松陽中学校
- 福島県立只見高等学校
- お知らせ
- 編集後記
リレーエッセイ
「身近に感じた今年のノーベル賞」
県教育委員会委員長 高橋 金一(たかはし きんいち)
今年の二夜連続にわたる日本人3名の方々によるノーベル賞受賞、加えて日本人の受賞が2年連続というニュースに、日本列島は大いに沸き、東日本大震災、それに続く原発事故、その後の度重なる大きな自然災害に見舞われている日本に、明るい話題を提供しました。
これで、日本人のノーベル賞受賞者は24名を数え、非欧米諸国では最多の受賞者数となりました。21世紀に入って自然科学部門の受賞者数15名というのは、米国に次いで、世界第2位の数字です。
私が小学生の頃、ノーベル賞と言えば、昭和24年に日本人として初めて受賞した湯川秀樹博士であり、学校の図書館には湯川博士の伝記が備えられていました。その隣りには、やはりノーベル賞受賞者のキュリー夫人の伝記、そして、何度も候補者になりながらついに受賞できなかった野口英世博士の伝記、そして北里柴三郎博士の伝記が並んでいました。これらの話はもちろん教科書にも掲載されていました。
このように、小学生の私からすれば、伝記になるような偉人でも受賞できない、ノーベル賞は自分たちとは全く縁がない、手を伸ばしても届きようのない、夢のまた夢といった遠い存在に思えていました。
また、ノーベル賞受賞者の出身大学を見ると、20世紀中は、2000年に化学賞を受賞された白川英樹博士が東京工業大学だったことを唯一の例外として、他の8名の方々はすべて東京大学か京都大学の出身でした。このことも普通の小学生が目標とするには高いハードルです。
ところで、ノーベル賞が制定されたのは1901年。2000年までの100年間で、日本人受賞者はたったの9人。湯川博士の受賞年から数えても50年余りで9人ですから、その数からしても、普通の子どもが夢見るには、夢のまた夢どころか、それを二乗したような、余りにも遠い存在のように感じられました。
ところが、21世紀に入ってからはいささか様相が変化しています。
21世紀に入り15年。この間に日本人受賞者は、今年の10月6日にその受賞が決定した梶田隆章博士までで15人を数えます。平均すると毎年1人の受賞者が出ていることになります。
そして、その出身大学にも小さくない変化が見られます。
平成14年に化学賞を受賞した田中耕一氏の東北大学が入ったのを始めとして、東大、京大に限られなくなってきたのです。そして、昨年の物理学受賞者の中村修二博士が徳島大学、そして、今年の梶田隆章博士が埼玉大学と、その出身大学に旧帝大でもない、地方の大学が加わるようになりました。
こうした変化は、ノーベル賞受賞が狭き門には変わりはないとしても、子どもたちにとって、ノーベル賞がもしかすると手が届くかも知れない、少し身近なものに感じられるようになったのではないかと思っています。
是非、福島の子どもたちにもノーベル賞を目指して頂きたいものです。
ところで、先頃、大学教育改革の一環として、文部科学省が国立大学の人文社会科学系学部の縮小を指向する改組を通知し、学者・研究者がこぞって反対し、大きな騒ぎとなったということがありました。
こうした人文科学系の軽視ともいうべき視点は、以下のような学問の発展という歴史的経過に照らしても、大きな疑問があるのではないかと思います。
歴史を遡ってギリシア時代。当時、科学と哲学は現在のように区別されていたわけではなく、哲学の中にあらゆる知識が含まれていました。この頃の哲学はすべて自然哲学で、自然の研究に関して現在の物理学者の発想と似たような好奇心、問題の立て方、解き方を持っていたという指摘もあります。
このギリシアの哲学の創始者はタレスとされています。タレスの言葉として「万物は水から生ずる」という言葉が残っています。やや時代を下って、同じ自然哲学の系譜に属するデモクリトスは「宇宙は原子(アトム、不分割)と空虚(ケノン、真空)から成る」という言葉を残しました。
考えて見ると、タレスにしろ、デモクリトスにしろ、世界史や倫理の教科書はもちろん、物理や化学の教科書にもその名前が登場していたように記憶しています。
三平方の定理で知られるピタゴラスも、数学の教科書だけでなく、世界史にも哲学者として登場します。
こうして自然現象の解明を考えているうちに、人間自身や人間社会の解明に好奇心が向き、それらを対象とした哲学が、ソクラテス、プラトン、アリストテレスによって研究されるようになっていきました。やがて、ギリシアの哲学と科学はアリストテレスによってまとめられ、自然の研究も人間や社会の研究も両方とも重要であり、科学の原型もある程度完成されたと言われているのです。
しかし、科学が科学であるのは、仮説を実験によって実証する点にあります。論証だけでは本当の科学といえないのです。論証中心の科学であったギリシアの科学は、この実験という点において限界がありました。
更に時代が下って、こうしたアリストテレスらの限界を、実験や観察を踏まえて、そこに数学的手法を用いて、数量化して批判的に克服したのが、ガリレオ・ガリレイです。
ガリレオは言うだけではなくて実際に自分でやって見せたというところがそれまでの科学の方法とは全く違うのだそうです。
こうして、自らの方法を獲得した科学は哲学から分かれていくことになったそうです。
学問の目的は真理の探究にあります。自然科学も、人文科学も、目指すところは真理の探究で共通なのです。その歴史的経過からしても、いずれか一方を重んじることは決して正しいとは言えません。いずれも真理の探究にとっては重要なのです。
文藝春秋10月号に池上彰氏がマサチューセッツ工科大学(MIT)を訪問したときの話が出ていました。池上氏が、「当然、最先端のことを教えているんですよね」と尋ねたところ、「最新の技術なんて4年で陳腐化してしまうから、そんなことを今教えたって意味はありません。常に最先端のものを作り出すためのベースになる力を身に付けてもらうのが、われわれMITの役割なのです」という答えが返ってきたそうです。すぐに役に立つことは、すぐに役に立たなくなるという指摘です。
すぐに役に立つ自然科学系を重視しようという考え方は、このMITの考え方と極めて対照的です。ノーベル賞受賞者に共通しているのは、その影には沢山の失敗とたゆまぬ努力があったということだと思います。すぐに役立つことを重んじようとする考え方はこうしたことにも反します。
自然科学及び人文科学の多方面にわたって幅広い教養を深め、更に高い専門性を目指すのが大学の役割であるとするならば、そうした学問探究に堪えられるような教育を施すのが、初等・中等教育の役割ではないかと思うのです。
今年の生理学・医学賞受賞者の大村智博士は、農家の長男で、韮崎高校ではサッカーや卓球、スキーに没頭し、およそ大学受験のための高校時代とは無縁だったようで、特にスキーは、大学生のときに国体出場したほどの腕前だそうです。大学卒業後、定時制高校の教員を務め、そこで、研究生活に入ることを決心したそうです。
また、物理学賞受賞の梶田隆章博士は、幼少期から特に自然科学に興味があったわけではなく、暗記よりも考える勉強を好み、高校の授業で物理に興味を持ったことから埼玉大学で物理学を専攻し、そこから研究者としての道に入ったそうです。
このようなお二人の経歴に照らしても、すぐに役立つことを目指すことだけが大切ではないことがわかる気がします。
今回のノーベル賞受賞の一連の報道に接し、これからの未来を担う福島の子どもたちの中からノーベル賞受賞者が出たらどんなにすばらしいか、ノーベル賞に夢を抱く子どもに応える教育こそ、子どもに夢を与える教育なのではないかと私は考えています。
長期化する原発事故の影響下から未来に向かって羽ばたこうとする福島の子どもたちに、期待し夢を託したいと思います。
そのために私も教育委員長として努力をしたいと思います。
日々の思い
「ラグビーフットボールのこと」
県教育庁教育次長 菅野 誠(かんの まこと)
私はこれまで3つの高校でラグビーに関わりました。昭和の終わり頃から平成の初めにかけては猪苗代高校と安積高校で顧問の一人として、そしてだいぶおいて3年前には安達高校で県高体連の「ラグビーフットボール専門部」の部会長としてです。
これまで顧問を担当した他の種目(柔道、バドミントン、山岳、テニス)では、実際に自分でもやってみたり、生徒と一緒に活動したりしましたが、ラグビーだけはプレーすることはできませんでした。その代わりと言っては何ですが、ラグビーについては生の試合をたくさん見ました。県内では高校、東京の秩父宮ラグビー場では大学、トップリーグ、日本選手権、他国代表とのテストマッチ、さらには今年の春の7人制の世界大会まで、いろいろ見てみました。
この中で最も迫力を感じた試合は何だと思いますか。
それは高校の試合で、福島市のあづま総合運動公園の「スポーツイベント広場」、そして、いわきグリーンフィールドの「多目的広場」で行われた試合です。
理由は簡単で、すぐ目の前でプレーが行われているからです。
ラグビーの大会は、サッカーやラグビー専用競技場でなければ、よく陸上競技場の400mトラックの中のフィールドで行われます。その場合、観戦はトラックを隔てて、しかもスタンドがある場合はスタンドからということになります。これは旧国立競技場でも同じでした。最前列でもタッチラインから30から40mは離れることになります。
秩父宮やいわきグリーンフィールドなどの専用競技場は、陸上競技のトラックはありませんが、しっかりしたスタンドが整備されており、やはりスタンドから見ることになり、グラウンドより数メートル高く、タッチラインからは十数mはあります。
その点、「スポーツイベント広場」や「多目的広場」は、トラックがなく、スタンドもなく、グラウンドレベルで、タッチラインから数mのところで(もちろんプレーの邪魔にならないところで)見ることができます。その位置だと、スタンドから見るのと比べると、遠くで行われているプレーやフィールドをいっぱいに使って展開するプレーなどは、残念ながらよく見えません。しかし、そのデメリットを補って余りあるのが、音を始めとした臨場感です。
私とそう変わらない小柄な高校生同士であっても、間近で見るタックルはすごい迫力です。生身の肉体でも激突するとこんな音がするのかと驚くような大きな音。息を詰めて歯を食いしばっている双方の口から漏れる「うっ」とも「ぐっ」ともつかないうめき声。勢いよくグラウンドを打つ音。飛んでくるボール、土、芝、時には選手。
本県では多くの選手が高校に入って初めてラグビーを始めていますが、短期間でこんなにも勇気あるすごいプレーができるようになるのかと、いつも驚嘆しながら見ていました。顧問の皆さんの、安全を重視しながらの情熱あふれる日頃の指導が偲ばれました。
さて、先月からイングランドでラグビーワールドカップが開催され、ご承知のように、日本代表は初戦の南アフリカ戦で「史上最大の番狂わせ」という勝利を飾りました。私もこれまで、対戦前の大方の予想を覆した試合をいくつも見てきましたが、今回ほどの覆し方の試合は初めてです。
ラグビーではある程度以上の「差」があると一方的な展開になりがちです。とにかくボールを持たせてもらえません。保持してもすぐに奪われ、相手に持たれるとそのままトライまでいかれてしまうという流れの、つらい繰り返しになります。世界のトップレベルのチームとの試合ではしばしば見せつけられたパターンでした。サッカーのように全員で引いて守る戦術はラグビーでは有効ではありません。(かえって距離を稼がせてしまいます。)
今回の南アフリカは正にその「世界のトップレベルのチーム」でした。
ところが、始まってみれば前半終了時2点差で、内容もほぼ互角。テレビの解説の砂村光信さんが、「奇跡に近い。生で見ている人は最高」と興奮してコメントしていました。
後半には一時、差を7点に広げられ、申し訳なくも「何とかこのまま終わって小差負けのボーナスポイント1点だけでも」などと祈っていたら、追い上げて3点差で最後のプレーへ。選手たちは、引き分けに持ち込める可能性の高いペナルティー・ゴールを選ばず、逆転して勝つつもりでトライを目指し、一度でもミスするかボールを奪われればその時点で試合終了=負けという最大級のプレッシャーの中で、何次にも及ぶ分厚い攻めを続け、見事にトライを取り切ったわけです。
この勝利自体がとてつもない快挙ですが、ほぼタイムアップでのスクラムから始まった4分近くに及ぶラストプレーは、世界のラグビーの歴史にも、必ずや闘志あふれるすばらしいトライとして記録されることでしょう。
生で(これはテレビですが)見られて本当に幸せでした。
結局、予選リーグで3勝もしながら、残念ながら準々決勝進出はなりませんでした(これは残念な「史上初」でした)が、相手がどんな強豪であっても絶対に勝てないわけではないという、未来に向けての大きな希望を残してくれました。
4年後には日本で次のワールドカップが開かれます。日本代表の活躍を期待したいと思います。
また、日本代表では、清陵情報高校で野球をやっていて日大工学部でラグビーを始めたという経歴を持つ、東芝ブレイブルーパスの大野均選手が代表としての最多・最年長出場を続けており、今回も勝利した2試合に先発出場し、しっかりと役割を果たしました。
次回、年は重ねますが大野選手が、さらには釜石シーウェイブスでがんばっている磐城高校出身の小野航大選手を始め、本県出身の選手が活躍してくれることを祈っております。
お薦めの一冊コーナー
このコーナーでは、福島県立図書館司書のお薦めの一冊を御紹介します。
おすすめの一冊 『グループでもできる ビブリオトーク「わくわく」「どきどき」する本の紹介方法』 (笹倉剛/著 あいり出版 2015)
これまで、本の紹介方法と言えば「ブックトーク」や、本県でも高校生による県大会が行われる「ビブリオバトル」が主流でした。
本書で紹介している「ビブリオトーク」は、そのどちらとも違う紹介技法です。「チャンプ本を決めない」「発表者は複数人でもよい」など小・中学生にとっても実践しやすいものになっています。
実際に小学生が行った記録も載っており、これからビブリオトークを実践する際の手引書としても有効な一冊です。
県立図書館024-535-3218
https://www.library.fks.ed.jp/
学校自慢コーナー
このコーナーでは、各学校の特色ある取組を御紹介します。詳しい内容を県教育委員会のホームページで紹介していますので、御覧ください。
『「い・つ・も」夢に向かって前進!~花と緑の大戸小~』
会津若松市立大戸小学校
「大戸の子どもは『い・つ・も』夢に向かって前進! いどむ子ども つくす子ども もとめる子ども」を教育目標に据え、日々の教育活動に取り組んでいます。「花と緑の大戸小」と言われるほど、たくさんの花と樹木に囲まれた学校です。
平成3年7月に緑の少年団が結成され、以降継続的な学校花壇の栽培活動を中心に、地域の施設訪問,清掃活動等を毎年行っています。今年度は、異学年交流、他校の友達との交流、保護者や地域の方と協力・連携し、「つながり」を意識しながら取り組んでいます。
会津若松市立大戸小学校の学校自慢のページへ[PDFファイル]
会津若松市立大戸小学校のホームページへ
『「気づき、考え、行動する松陽生」の育成を目指して 』
伊達市立松陽中学校
本校は、伊達市保原町の南部を学区とする,全校生徒203名の学校です。校舎は高台の緑豊かで大変環境のよい所に建てられています。生徒もこの環境の素晴らしさを自慢にしています。
本校では、「気づき、考え、行動する松陽生」の育成を目指し、4つの重点事項や具体的な実践事項を学校経営・運営ビジョンに定め、日々実践を行っています。
伊達市立松陽中学校の学校自慢のページへ[PDFファイル]
伊達市立松陽中学校のホームページへ
『地域との連携と少人数教育を生かしたきめ細かな指導の実践― 小さな学校の大きな可能性への挑戦― 』
福島県立只見高等学校
本校は地域の特性やニーズ、多様な進路希望に応えるため 、生徒一人一人との会話を大切にし、ガイダンス機能の充実と徹底した個別指導で豊かな個性と実践力のある人材を育成します。
只見町の「山村教育留学制度」を利用した外部生と地元の生徒が互いに刺激し合いながら、自らの夢や可能性に挑戦できる教育活動を実践しています。
福島県立只見高等学校の学校自慢のページへ[PDFファイル]
福島県立只見高等学校のホームページへ
お知らせ
「赤い羽根 胸にともせる 人に会う 小さな愛の あふれる季節」 俵 万智
ここから10月のお知らせコーナーです。
教育庁教育総務課からのお知らせ
平成27年度「ふくしま教育の日」、「ふくしま教育週間」
福島県では、11月1日を「ふくしま教育の日」、11月1日から7日までの一週間を「ふくしま教育週間」とし、学校教育、社会教育及び文化の充実と発展を図ることを目指しています。
この期間、学校や文化施設で様々な行事や催しが実施されます。皆さんそろって御参加ください。
詳しくはこちらを御覧ください。
→ ふくしま教育の日のページ
「平成27年度教育フォーラム」
「スポーツがつなぐ 絆そして未来」をテーマに開催します。平成29年南東北インターハイ、2020東京オリンピック・パラリンピック本県開催の機運を、若者たちと一緒に高めましょう!!
まだ席に余裕がありますので、ふるって御応募ください。
日時:平成27年11月1日(日曜日)「ふくしま教育の日」 13時00分から15時40分
会場:福島県立橘高等学校(福島市宮下町7番41号)
基調講演
コーディネーター 森 知高 氏(福島大学)
- 加藤 健人 氏(ブラインドサッカー日本代表選手)(福島市出身)
- 溝江 香澄 氏(東北楽天イーグルスソフトボールコーチ、2010年世界選手権銀メダリスト)
- 本県の若手アスリート
水井 ひらり さん(バドミントン)
山下 潤 さん(陸上競技)
半谷 静香 さん(柔道) - 健康や食育に関心ある生徒、学生
近内 樹 さん(須賀川養護学校)
大竹 美沙季 さん(須賀川養護学校)
長沼 美帆 さん(郡山女子大学) - 復興応援パフォーマンス
橘高校ダンス部、福島高校応援団・チアリーダー部
→ 平成27年度教育フォーラム参加者募集[PDFファイル]
県立博物館からのお知らせ
ふくしま教育週間中(11月1日(日曜日)から7日(土曜日))は以下の展示は高校生以下無料です。ぜひ御鑑賞ください。
県立博物館
秋の企画展「相馬中村藩の人びと」
県立博物館 0242-28-6000
http://www.general-museum.fks.ed.jp/
教育センターからのお知らせ
「平成27年度福島県教育研究発表会」開催のお知らせ
本発表会は、本県内外の教職員を対象に、県内の公立学校教員の優れた研究成果を共有するとともに、発表を通して県内各園、各学校の実践の交流を図るものです。
また、福島県教育センターの研究・研修業務における成果の発表の場とし、本県学校教育の向上に資することを目的として開催します。
今年度は、研究・実践の発表と講演を行います。講演では、文部科学省初等中等教育局視学官の田村 学(たむら まなぶ)氏をお招きし、「アクティブ・ラーニングが高める確かな学力」と題して、お話していただきます。多数のご参加をお願いします。
日時:平成27年11月26日(木曜日)午前9時50分開会
会場:福島県教育センター(福島市瀬上町字五月田16番地)
参加対象:教職員
申込期間:平成27年10月1日(木曜日)から11月12日(木曜日)
お申し込み、詳細についてはこちらをご覧ください。
→ http://www.center.fks.ed.jp/
福島県教育センター 024-553-3141
福島県生涯学習課からのお知らせ
全国生涯学習ネットワークフォーラム2015福島大会
「ともに生き ともに学び ともに支え合う~学びをひろげる、つなげる、いかす~」をテーマに、県内各地で開催したプレイベントに続き、下記によりメインフォーラム、フィールドワーク・ラーニングを開催します。若者、NPO、社会教育関係者のネットワーク化を図るとともに、復興に向け、全力で取り組む福島の「今」を伝え、いきいきとした地域づくりを全国へ発信します。ぜひ、御参加ください。
日時:平成27年11月8日(日曜日)から10日(火曜日)
会場:8・9日 コラッセふくしま(福島市) 10日 フィールドワーク・ラーニング(福島~相馬~広野~大熊・双葉方面)
詳しくは 福島県生涯学習課ホームページをご覧ください。
ホームページ http://www.pref.fukushima.lg.jp/sec/11055b/
「ジャーナリストスクール」成果物(新聞)について
「ジャーナリストスクール」で作成した新聞を各学校へ配布いたしました。復興の道を歩む県民の姿が発信されておりますので、校内での活用をお願いします。
また、新聞を読まれてのご意見・ご感想をメールにてお寄せください。
福島県生涯学習課 024-521-7784
メールアドレス [email protected]
ホームページ http://www.pref.fukushima.lg.jp/sec/11055b/
編集後記
今回は無形文化の継承の真髄に触れる、二つのお話しをさせていただきます。
この夏、初めて檜枝岐歌舞伎を見ました。檜枝岐歌舞伎・千葉之家花駒座のパンフレットには「私達花駒座員は…土の匂いのする歌舞伎、田舎の味のする歌舞伎、そして力の限り演ずる歌舞伎としてこれを上演し、永遠に存続させることに生き甲斐を感じます」とありました。歌舞伎のあとにこれを読んだとき、「生き甲斐」の言葉の重さを強く感じたものです。
しかしながら、江戸時代から地域で継承されてきた無形の文化、無形の技を未来につないでいく努力は並々ならぬものだったはずです。千葉之家花駒座の先々代の座長さんにお話しを伺ったところ、「自分が出ていた頃、練習は大変でした。楽しいと思ったことが一度もないんです。」ということでした。見る側には想像できないほどの努力・情熱の継承も、長年にわたってなされてきた、そのことに深い敬意を覚えます。
もうひとつは福島の民俗芸能学の権威、懸田弘訓さんの言葉です。
浪江請戸の田植え踊りの伝承に関して、懸田さんは「時代をさかのぼれば、舞手の確保が難しかった時に男性が踊った頃もある。地域の芸能はそのときどきの状況に合わせて工夫しながら、引き継がれてきたし、これからもそれでいいのではないか」というお話しをされていました。大事なものを守るためには、部分的な変更を加えつつ継承していく姿勢も重要だという示唆です。
時代にあわせて変えて行く判断も、過去を大切にし、未来に托していく貴いメッセージではないでしょうか。
福島には多くの民俗芸能があり、私たちの生活に張りを与えてくれます。
10月31日、11月1日と、南相馬で「ふるさとの祭り2015」が開催されます。長い歴史の中で地域に継承されてきた大事なもの、先人の思いに触れ、今と未来を考えてみるのはどうでしょうか。
この秋、スポーツや健康について考えてみたいという方は、11月1日開催の教育フォーラムにぜひご参加ください!
教育総務課長 大類 由紀子(おおるい ゆきこ)
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