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キセノン検出に関する情報提供の遅れに対する申し入れ

印刷用ページを表示する 掲載日:2012年11月15日更新

 福島第一原子力発電所2号機の原子炉格納容器から、半減期の短い核種(キセノン133、キセノン135)が検出され、核分裂反応の可能性が否定できないことについて、平成23年11月2日未明に通報を受信して以降、県や関係市町村に対する情報提供が滞っていること、また、マスコミ報道を受けて、県民の皆様から、事故拡大の恐れや健康影響に関する不安の声が多数寄せられていることを受けて、国及び東京電力(株)に対して、2号機の原子炉内で発生している事象の状況、放射線による周辺地域への影響、事故の収束に向けた今後の対応などについて、以下のように申し入れを実施しました。

事象の概要

 平成23年11月2日午前1時14分、東京電力(株)より、福島第一原子力発電所2号機において、平成23年11月1日に原子炉格納容器ガス管理システムから採取したガスの核種分析を行ったところ、核分裂反応により生成される半減期が短い核種(キセノン133、キセノン135)が検出された可能性があることから、念のためホウ酸水を注水することについて、下記のとおり、原子力災害対策特別措置法に基づく通報連絡がありました。

⇒県が受けた通報連絡一覧について(平成23年11月1日~11月2日まで)[PDF形式/43KB]

国への要請

  1. 日時  平成23年11月2日(水曜日) 17時50分から
  2. 場所  オフサイトセンター(県庁本庁舎5階)
  3. 概要  古市生活環境部次長(県民安全担当)から、政府現地対策本部の原昭吾総括班長に対し、口頭で要請しました。
  4. 内容
     福島第一原子力発電所2号機の原子炉格納容器から、半減期の短い核種(キセノン133、キセノン135)が検出され、核分裂反応の可能性が否定できないことについては、本日未明に通報を受信して以降、県や関係市町村に対する情報提供が滞っています。
     また、マスコミ報道を受けて、県民の皆様から、事故拡大のおそれや健康影響に関する不安の声が多数寄せられています。
    このため、2号機の原子炉内で発生している事象の状況、放射線による周辺地域への影響、事故の収束に向けた今後の対応などについて、以下のことを強く求めます。
    (1)速やかな情報の開示を行うこと
    (2)県民への分かりやすい情報提供を行うこと

東京電力(株)への申し入れ

  1. 日時  平成23年11月2日(水曜日) 19時00分から
  2. 場所  災害対策本部事務局(自治会館3階)
  3. 概要  古市生活環境部次長(県民安全担当)から、東京電力(株)福島地域支援室の小山副室長に対し、口頭で申し入れを行いました。
  4. 内容
     福島第一原子力発電所2号機の原子炉格納容器から、半減期の短い核種(キセノン133、キセノン135)が検出され、核分裂反応の可能性が否定できないことについては、本日未明に通報を受信して以降、県や関係市町村に対する情報提供が滞っています。
     また、マスコミ報道を受けて、県民の皆様から、事故拡大のおそれや健康影響に関する不安の声が多数寄せられています。
     このため、2号機の原子炉内で発生している事象の状況、放射線による周辺地域への影響、事故の収束に向けた今後の対応などについて、以下のことを強く求めます。
    (1)速やかな情報の開示を行うこと
    (2)県民への分かりやすい情報提供を行うこと

その後の経過

 東京電力(株)では、平成23年11月4日に原子力安全・保安院に対して、今回の事象の報告書を提出しました。この報告において、東京電力(株)は11月1日午後にはキセノン検出の事実を把握していながら、本県への情報提供が11月2日の未明となっていることが明らかになりました。そのため、11月4日、福島県は東京電力(株)に対して、今回の対応について厳重抗議をしました。

 ⇒厳重抗議(平成23年11月4日へリンク)

報告書の概要

 11月1日、2号機に新たに設置した格納容器ガス管理システムを用いてサンプリング測定した結果、核分裂で生成されるキセノン135が検出された。キセノン135は半減期が約9時間と短いので、これらは3月11日以前ではなく最近の核分裂によって生成されたものである。原子炉が未臨界でも、ごくわずかな量の核分裂は常時起こっており、測定が高感度になった結果、微量のキセノン135が検出されたものである。一部に、2号機の燃料が継続して核分裂反応が起こる「臨界」状態になったのではないかとの懸念が生じたが、以下の理由から、2号機の燃料は臨界状態ではないと判断している。

  1. 検出されたキセノン135のレベルが低いこと
  2. ホウ酸の注入後もキセノン135が検出されたこと
  3. 原子炉のパラメーターに有意な変動がないこと
  4. なお、上述した自発核分裂による生じる放射線の影響は無視できるレベルである。

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