沼山峠~尾瀬沼

尾瀬夜行23:45で行く
0泊1日の ふくしま尾瀬ハイキング

尾瀬を初めて訪れる方や初心者ハイカーにオススメなのが、0泊1日で楽しむ尾瀬沼コース。
尾瀬沼コースは、空を映す水面が美しい尾瀬沼や、多数の高山植物に彩られた大江湿原、日本百名山にも名を連ねる尾瀬のシンボルともいえる名峰・燧ヶ岳など、見どころ盛りだくさんのコースです。
毎年、6月上旬~10月下旬にかけて運行している東武鉄道の臨時夜行列車「尾瀬夜行23:45」プランを利用すれば、朝から尾瀬ハイキングが満喫できます。週末の仕事を終えたあと浅草駅を23:45に発車する「尾瀬夜行23:45」に乗り込んで、朝日を浴びながらふくしま尾瀬の豊かな自然に触れてください。
今回は0泊1日で旅するふくしま尾瀬ハイキングのモデルプランをタイムスケジュールとともにご紹介します。

23:45 東武鉄道・浅草駅から列車が発車

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東武鉄道・浅草駅から「尾瀬夜行23:45」に乗車し、尾瀬への玄関駅となる会津高原尾瀬口駅へ向かいます。「尾瀬夜行23:45」は特急列車「リバティ」(500系3両)を使用。各座席にはコンセントが設置され、無料Wi-Fi環境を整備しているのも嬉しいポイントです。リクライニング可能のゆったりした座席で眠りにつき、エネルギーをチャージしましょう。

※「尾瀬夜行23:45」は期間・出発日限定での運行となります。詳細は毎年5月上旬頃に発表される尾瀬夜行の情報をご確認ください。
※「尾瀬夜行23:45」の停車駅と運転時刻は、浅草駅発 23:45、北千住駅発 0:00、新越谷駅発 0:14、春日部駅発 0:30、会津高原尾瀬口駅着 3:08となります。
※「尾瀬夜行23:45」の利用には、山小屋に宿泊するプランもあります。(プランを見る

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5:00 会津高原尾瀬口駅から沼山峠へ

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会津高原尾瀬口駅への到着は3:08着。4:30頃まで電車内に待機し、5:00に「尾瀬夜行23:45専用バス」が会津高原尾瀬口を出発します。
バスは6:50に尾瀬沼山峠バス停に到着。沼山峠の登山口前に無料休憩所「沼山峠休憩所(山の駅 沼山峠)」やトイレがあるので、ここで支度を整えます。ちなみに尾瀬のトイレはチップ式なので、小銭の用意も忘れずに。

※「尾瀬夜行23:45専用バス」には「駒ケ岳登山口(6:00着)」、「尾瀬御池(6:30着)」、「尾瀬沼山峠(6:50着)」の3つの下車地があり、当日に選択できます。乗車時に希望下車地をお申し出ください。

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写真オオシラビソを中心とした樹林帯

7:30 沼山峠を出発

写真オオシラビソを中心とした樹林帯

清々しい香りを放つオオシラビソを中心とした樹林帯が、沼山峠登山口から続きます。足元は木道が整備された、ゆるやかな上り坂。コマドリやウグイスなど時折聞こえる野鳥のさえずりが心を癒します。登山客とすれ違う際は、「おはようございます」、「こんにちは」と挨拶を交わしましょう。

8:00 沼山峠展望台で休憩

沼山峠展望台は尾瀬沼コースの休憩ポイントです。ベンチに腰掛け、自然に包まれながら持参した朝食をいただくと、一層美味しく感じられるはず。早朝の会津高原尾瀬口駅周辺や尾瀬沼山峠バス停付近には弁当を購入できる店がないため、「尾瀬夜行23:45」乗車前に用意しておくことをオススメします。

展望台からの眺望沼山峠展望台からの眺望

お弁当大自然の中で食べるお弁当は絶品!

9:00 大江湿原

沼山峠展望台から30分ほど下ると、視界が一気に開け、目の前に大江湿原が広がります。多種多様な植物が生息する湿原のなかに真っ直ぐのびる木道。前方右手側には燧ヶ岳がそびえ、大江湿原と空とのコントラストも見事です。小淵沢田代に向かう分岐点に着くと、すぐそばに清らかな水をたたえる大江川が。小さな橋から川をそっとのぞくと、悠々と泳ぐイワナやヤマメの姿が見られます。
大江湿原は季節ごとに移ろう風景も魅力のひとつ。5月下旬の雪解けとともにミズバショウが咲き誇り、その後、チングルマ、ワタスゲ、ハクサンチドリ、ヒメシャクナゲなどの可憐な花々のリレーが続きます。7月中下旬になるとニッコウキスゲが一面に黄色の絨毯を広げ、8月は生命力あふれる緑の季節。9月に入ると草紅葉が始まり、湿原は徐々に黄金色へと輝いていきます。

大江湿原湿原の中に真っ直ぐのびる木道

大江川小さな橋がかかる大江川

9:20 尾瀬沼東岸を散策

標高1,660メートルに位置する尾瀬沼は、日本でもっとも標高が高い湖沼です。周囲約6km、水深平均5.5mで、燧ヶ岳の噴火により川がせき止められて形成されました。湖畔に立つ尾瀬沼のシンボル「三本カラマツ」の下には盛られたような土があることから、伝説が諸説残されています。檜枝岐村に残る伝説のひとつは「平ノ清盛に敗れた後白河法皇の第三皇子・以仁王が落ち延びる際、お供の尾瀬中納言藤原頼実公が病に倒れたため、手厚く葬った。その場所こそ3本カラマツの下であり、『尾瀬塚』と呼ぶようになった」というもの。さらに「頼実の兄、尾瀬大納言藤原頼国公も以仁王の従者であったが、弟の眠る檜枝岐村に留まることを決意。3本カラマツの辺りで、頼国公は弓の練習をしていた。以降、ここを『的場跡』と呼ぶようになった」という説もあります。

尾瀬沼東岸には尾瀬の自然にまつわる情報発信の拠点「尾瀬沼ビジターセンター」、2つの山小屋「尾瀬沼ヒュッテ」と「尾瀬沼畔 長蔵小屋」、ドリンクや軽食をいただける喫茶室「尾瀬沼畔 長蔵小屋 別館」、天然水コーヒーや尾瀬のお土産品などを販売する「長蔵小屋 売店」、チップ式トイレがあります。周辺を散策しながら、休憩をとりましょう。

きれいな青空空が近くに感じます

尾瀬沼ビジターセンター尾瀬沼ビジターセンター

10:20 尾瀬沼東岸を出発

写真季節で色合いが異なる風景(写真は8月上旬頃)

帰りは来た道を戻ります。道すがら出会う草花、苔、木々たちが、疲労感を吹き飛ばしてくれるようです。会津高原尾瀬口駅行きのバスが発車する尾瀬御池バス停までは、尾瀬沼山峠バス停と尾瀬御池バス停を往復する尾瀬シャトルバスを利用します。尾瀬沼から沼山峠まではノンストップで歩いて約80分。バスの運行時刻に注意しながら、自身の歩くペースに合わせて時間配分を。

写真季節で色合いが異なる風景(写真は8月上旬頃)

沼山峠休憩所沼山峠休憩所

11:40 尾瀬沼山峠バス停に到着

沼山峠休憩所沼山峠休憩所

30分~40分間隔で運行している尾瀬シャトルバスを「沼山峠休憩所(山の駅 沼山峠)」で待ちます。沼山峠はマイカー規制が行われているため、マイカー及び二輪車(自転車含む)で通行することはできません。尾瀬沼山峠バス停〜尾瀬御池バス停間は片道20分ほどです。

※シャトルバスの運行情報は会津バスのHPからご確認ください。
会津バスHP
※「尾瀬夜行23:45」プランを利用すると「尾瀬沼山峠」と「尾瀬御池」から出発する会津高原尾瀬口駅行き「尾瀬夜行優先バス」に乗車できます。本数限定のため、発車時刻は要確認。

12:10 「山の駅 御池」の食堂で昼食

尾瀬御池バス停付近にある「山の駅 御池」に併設された食堂で昼食をいただきます。選んだメニューは「舞茸カレー」。檜枝岐村産の舞茸を使用したスパイス香る手づくりカレーで、ハイカーはもちろん地元の方にも評判だとか。「山の駅 御池」には飲み物や菓子パン、お土産品などを販売する売店やチップ式トイレもあります。
尾瀬御池まではマイカー及び二輪車(自転車含む)の乗り入れができるため、「御池駐車場」へ駐車が可能です。

山の駅山の駅 御池

舞茸カレー檜枝岐村産の舞茸を使った「舞茸カレー」(イメージ)

13:10 尾瀬御池から会津高原尾瀬口駅へ

御池駐車場バス乗車券発売所(シャトルバス用乗車券の発売所)

尾瀬御池バス停から会津高原尾瀬口駅バス停までは、「会津バス」に揺られて約100分。バスの車窓に流れる景色を楽しみながら、のんびり過ごします。

※会津高原尾瀬口駅〜尾瀬沼山峠間で会津バスが運行していましたが、2024年10月1日よりバス路線に再編ともない、尾瀬方面への路線バスは会津田島駅発着となります。
詳しい運行情報は 会津バスのHP からご確認ください。

御池駐車場バス乗車券発売所(シャトルバス用乗車券の発売所)

14:50「会津高原尾瀬口駅プラザ 憩の家」

電車の発車時刻まで、隣接する売店「会津高原尾瀬口駅プラザ 憩の家」に立ち寄ってみては?
店内には南会津町内にある4つの酒蔵が醸す日本酒や名物「裁ちそば」の乾麺、銘菓、工芸品をはじめ、さまざまなお土産品が揃います。小腹が空いていれば食事処「恋路茶屋」で軽食を。人気はそば、うどん、ラーメンという3種類の麵のうえにかき揚げがのった「三種合体麺」です。

憩の家憩の家 外観

お土産店内にさまざまなお土産が並びます

尾瀬季節ごとの風景の違いも楽しい(写真は春の尾瀬沼)

15:20 会津高原尾瀬口駅から列車が発車

星秀和さん季節ごとの風景の違いも楽しい(写真は春の尾瀬沼)

美しい尾瀬の風景を胸に抱き、帰路につきます。尾瀬沼を往復した今回のコースは約6.5kmと距離が短く、日帰りでも気軽に楽しめるため、季節の移り変わりを肌で感じようと何度も訪れるハイカーが多いそうです。「来年は水芭蕉の開花時期とニッコウキスゲが大江湿原一面を彩るシーズンに来よう」、「今度は山小屋に宿泊して、三条の滝や尾瀬ヶ原の方まで足を伸ばそう」など、次回のふくしま尾瀬旅に思いを馳せるのでした。

※「尾瀬夜行23:45」プランを利用すると、復路は「東武鉄道利用」「上越新幹線利用」「高速バス尾瀬号(関越交通)利用」の3種類から選択できます。
詳細は「尾瀬夜行23:45」のHPにてご確認ください。(HPを見る

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