頂上部に大湿原を持つ特異な山容で人気の高い田代山と、さらに山脈を連ねた奥会津の幻の深山、帝釈山を踏破できるコースです。太平洋と日本海の分水嶺に位置するためたくさんの種類の植物を楽しめます。
国道352号と猿倉登山口を結ぶ県道350号(栗山舘岩線)は、水引集落を過ぎると未舗装区間が多くなります。特段の危険箇所はありませんが国道から猿倉登山口まで片道40分〜1時間近くかかりますので全体の山行時間を考慮ください。
会津高原尾瀬口から猿倉登山口までシャトルタクシーも運行しています(2021年以降の運行についてはこちらまでお問い合わせください)。
登山口より200メートル手前に駐車場があります(約40台)。
清潔なトイレがあります。
栃木県側への通り抜けはできないのでご注意ください。
登山口を過ぎて10分ほどで水場に到着。湯ノ岐川源流の沢で夏場でも冷たくきれいです。これより上に水場はないので携行飲料が不安な方はここで十分な量を汲んでいきましょう。
登山口から田代山頂上まで約2時間。つづら折りの急登が続きますが足元は整備されているので歩きやすいです。頂上手前の小田代からは眺望が開けます。
田代山の頂上部は世界的にも稀とされる単一の台地上湿原が広がります(約20ヘクタール)。
最高点の標高は1,971メートルで、会津駒ヶ岳の湿原、燧ヶ岳の熊沢田代と同程度の標高にある高層湿原となります。
田代山は作家・田中澄江が紹介した花の百名山にノミネートされました。高山植物が豊富で、キンコウカ、ワタスゲ、イワカガミ、タテヤマリンドウ、ヒメシャクナゲ、モウセンゴケなどが見られます。
流入河川のない単一台地の頂上に、どうして湿原が広がるのでしょうか?
答えは泥炭です。残雪や雨の水分を泥炭層がスポンジのように蓄えるからです。
帝釈山への分岐付近に弘法大師堂を兼ねた避難小屋があります。その隣には清潔なトイレもあります。
田代山から標準タイム片道1時間30分で、帝釈山脈の盟主、帝釈山の山頂へ到着します。
帝釈山は山深い場所にあり、太平洋側と日本海側の水系を分ける帝釈山脈を従えます。田代山からのルートはまさにその山脈の尾根道。頂上に近づくにつれて視界は開けて両方向の山々を一望することができます。
猿倉登山口から田代山の頂上部までは2キロメートル程度で高度差は530メートルほど。しかし侮りは禁物。数字以上の急登です。ペースを守り、下山の余力を足に残しながらトレッキングを楽しみましょう。
体力のある方はぜひ帝釈山まで足を伸ばしていただきたいですが、無理は禁物。+3時間〜4時間は確保しましょう。はしご場が2ヶ所あるので慎重に。時間に追われて下山するのは事故のもとです。